科学研究費補助金 新学術領域研究
「水を主役としたATPエネルギー変換」
このたび、新たに科学研究費補助金 新学術領域研究「水を主役とした
ATPエネルギー変換」(略称:水和とATP、H20-H24)が採択され、活動を
開始いたしました。新年1月中旬から、平成21年度から2年間の研究の
公募を開始しております。
ATP(アデノシン三リン酸)は生命系のエネルギー代謝の中心を占め、機
能が明らかな約4000種の酵素のうち、470種までがATP駆動あるいはATP
を要求するタンパク質です。しかし、そのエネルギー媒体としての物理
的基盤(「ATPエネルギー」の実体)が未確立のため、化学エネルギー変
換の分子論は、未完成のままです。
本領域は、溶液化学・生物物理学・一分子生理学の融合により、分子
レベルの機能論・構造論に立脚した新しいエネルギー論の構築を目指
します。すなわち、「ATPエネルギー」の実体を解明するとともに、
ATPと相互作用するタンパク質の機能発現における水の役割の解明に取
り組みます。加えて、有力手法のATP系への展開や斬新な方法によるATP
駆動タンパク質の水和測定、あるいは地味でも重要な測定や理論研究
(たとえば、水-有機溶媒混合系におけるATP加水分解反応の熱力学量、
同反応系における反応物質の酸解離定数などの基本量の測定やデータ
ベース構築など)等、領域研究として明確に位置づけられる2年間の公募
研究を募ります。
詳しくは次のページをご参照ください
http://www.scl.kyoto-u.ac.jp/~yoeki/ATP/
鈴木 誠(東北大学)
022-795-7303 msuzuki (at mark) material.tohoku.ac.jp