生産技術・製品開発ディビジョン

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化学吸着単分子膜を活用した自己集合機能付与と用途開発に関する勉強会を開催しました。 [2008年3月26日 公開]

題名: 化学吸着単分子膜を活用した

      自己集合機能付与と用途開発に関する

      勉強会を開催しました。

 

趣旨:

   私たちの「生産技術・製品開発」ディビジョンでは、

    (1)会員の皆様へ講演会等の情報発信を行うとともに、

    (2)会員間で、将来(10〜20年先)の日本の技術優位性を

       確保するための技術Break Throughを議論する場(WG)を

       提供する場となりたいと考えております。

 

   WGの切り口としては、以下のような内容をKeyWordと考えております。

      (a)薄膜化技術

      (b)接着技術

      (c)素材開発に向けた、Combinatorial Chemistry

      (d)素材開発に向けた、Computational Simulation

      (e)「地球にやさしい」廃棄物フリー、省資源、省エネルギープロセス

      (f)顧客満足度向上にむけた品質保証技術

 

   今回、WG活動イメージをより一層明確にするため、

    副主査を努めていただいている、香川大学工学部材料創造工学科教授の

    小川 一文先生を囲んで勉強会を以下のように開催しましたので、ご報告いたします。

 

   今後このような勉強会を、年数回の頻度で開催し、

    WG活動に繋げて行きたいと考えております。

 

   ご関心をお持ちの方は、ディビジョンHPのメールシステムにて

    幹事宛、ご連絡いただければ幸甚に存じます。

 

 

勉強会概要:

1.日時: 2008年1月24日(木)

    於: 香川大学工学部

 

2.内容:

  「微粒子への自己集合機能付与と用途開発」

 

  勉強会概要資料

http://division.csj.jp/uploader.php?i=33&div=21&p=8018121914

    

 概要:

  化学吸着剤を用いた化学吸着単分子膜を活用。

   化学吸着剤は、基材と反応する官能基(活性部位、吸着部位)と

   各種機能発現のための官能基(機能部位)間を

   炭素鎖で連結したもの。

   

  ガラス基板、Si基板、紙等の基材に、化学吸着液を作用させると

   自己組織的に、基材表面に活性部位が反応、

   過剰の吸着液を洗浄する事で、基材表面に

   機能を有する単分子膜を形成でき、

   基板材料に撥水性、撥油性等の機能を付与できる。

 

  また、お互いに反応しうる官能基(機能部位)を有する

   2種(AB)の化学吸着剤を用い、基板側をAで処理、

   ナノ粒子をBで処理後、基板、ナノ粒子を処理すると

   基板上にナノ粒子の1層積層された膜が作れる。

 

  こうした技術の応用としては、

   自動車側面ガラスやアパレル製品のLong Life超撥水加工、

   金型のLong Life離型膜、配線用バインダレスAgペースト、

   微粒子のナノ分散等が検討されているが、

   非常に広い応用展開分野がある。

 

  この処理は、基材を化学吸着液で処理、洗浄するプロセスなので、

   真空蒸着、CVD、メッキ、ゾルゲル法等の従来の薄膜コーティング法対比

   処理プロセスが単純で、大面積に対応可能。

 

 

以上 

(添付ファイル)