題名: 化学吸着単分子膜を活用した
自己集合機能付与と用途開発に関する
勉強会を開催しました。
趣旨:
私たちの「生産技術・製品開発」ディビジョンでは、
(1)会員の皆様へ講演会等の情報発信を行うとともに、
(2)会員間で、将来(10〜20年先)の日本の技術優位性を
確保するための技術Break Throughを議論する場(WG)を
提供する場となりたいと考えております。
WGの切り口としては、以下のような内容をKeyWordと考えております。
(a)薄膜化技術
(b)接着技術
(c)素材開発に向けた、Combinatorial Chemistry
(d)素材開発に向けた、Computational Simulation
(e)「地球にやさしい」廃棄物フリー、省資源、省エネルギープロセス
(f)顧客満足度向上にむけた品質保証技術
今回、WG活動イメージをより一層明確にするため、
副主査を努めていただいている、香川大学工学部材料創造工学科教授の
小川 一文先生を囲んで勉強会を以下のように開催しましたので、ご報告いたします。
今後このような勉強会を、年数回の頻度で開催し、
WG活動に繋げて行きたいと考えております。
ご関心をお持ちの方は、ディビジョンHPのメールシステムにて
幹事宛、ご連絡いただければ幸甚に存じます。
勉強会概要:
1.日時: 2008年1月24日(木)
於: 香川大学工学部
2.内容:
「微粒子への自己集合機能付与と用途開発」
勉強会概要資料
http://division.csj.jp/uploader.php?i=33&div=21&p=8018121914
概要:
化学吸着剤を用いた化学吸着単分子膜を活用。
化学吸着剤は、基材と反応する官能基(活性部位、吸着部位)と
各種機能発現のための官能基(機能部位)間を
炭素鎖で連結したもの。
ガラス基板、Si基板、紙等の基材に、化学吸着液を作用させると
自己組織的に、基材表面に活性部位が反応、
過剰の吸着液を洗浄する事で、基材表面に
機能を有する単分子膜を形成でき、
基板材料に撥水性、撥油性等の機能を付与できる。
また、お互いに反応しうる官能基(機能部位)を有する
2種(A、B)の化学吸着剤を用い、基板側をAで処理、
ナノ粒子をBで処理後、基板、ナノ粒子を処理すると
基板上にナノ粒子の1層積層された膜が作れる。
こうした技術の応用としては、
自動車側面ガラスやアパレル製品のLong Life超撥水加工、
金型のLong Life離型膜、配線用バインダレスAgペースト、
微粒子のナノ分散等が検討されているが、
非常に広い応用展開分野がある。
この処理は、基材を化学吸着液で処理、洗浄するプロセスなので、
真空蒸着、CVD、メッキ、ゾルゲル法等の従来の薄膜コーティング法対比
処理プロセスが単純で、大面積に対応可能。
以上